WordPress をオンラインショップとして EC サイト化するプラグインである WooCommerce では、「バリエーションのある商品」という1つの商品ページにサイズやカラー等の異なる複数の商品を掲載できる商品タイプをサポートしています。
本記事では、WooCommerce のバリエーションのある商品の機能や効果的な利用方法、および設定方法について説明します。
目次
バリエーションのある商品とは何か
WooCommerce の「バリエーションのある商品」は、同じ製品に対して異なるサイズ、色、重量、価格などの選択肢を提供する場合に便利な商品タイプです。
バリエーション商品を選択することで商品の選択肢を増やすことが可能です。例えばとある商品のスニーカーに対して、26cm, 27cm, 28cm等の複数のサイズや、赤・黒・白・青等の各種カラーを選択できるようになります。このように任意の選択肢を持つ商品のことを WooCommerce ではバリエーションのある商品と呼んでいます。
WooCommerce のバリエーションのある商品を設定することでできることの例を挙げます。
- 複数の選択肢を持つ商品を作成できる
- 各選択肢には、異なる価格、重量、在庫レベルなどの属性を割り当てることができる
- 各選択肢には、それぞれ異なる商品コード(SKU)を割り当てることができる
- バリエーションのある商品は、ショップ一覧ページに表示される場合、単一の商品として表示される
バリエーションのある商品はどう利用すると効果的か
バリエーションのある商品は通常の単品の商品とは異なり、商品に対して複数の選択肢を提供することができるため、選択肢をできるだけシンプルにしつつ、顧客にとって分かりやすくすることが重要です。多すぎる選択肢を掲示してしまうと、商品ページ上で困惑してしまい、購入を諦める可能性があるためです。バリエーションが3つも4つもあると「選択肢が多くてわかりづらい」……となる可能性が高いです。
また、各バリエーションごとに商品画像をできるだけ設定し、選択肢ごとに異なる画像を表示することにより、商品の違いを視覚的に理解しやすくなります。例えば、赤いTシャツを選択すると画像も赤く変わるようなイメージです。
バリエーションのある商品に向いている商品カテゴリーやジャンル例
単一商品だけで完結すればバリエーションのある商品に設定する必要はありません。基本的に商品に選択肢があれば各ジャンルでバリエーションのある商品が利用できます。一例を挙げます。
- アパレル:サイズ、色、スタイル、素材など
- 食品:味、サイズ、パッケージタイプなど
- 家具:色、材質、サイズ、デザインなど
- 電化製品:色、サイズ、機能、ブランドなど
- スポーツ用品:サイズ、色、種類、ブランドなど
追加したバリエーションのある商品それぞれに商品画像や SKU、価格や在庫管理、商品説明等が設定できるため、より柔軟な商品ページを作ることができ、顧客に多くのオプションを提供することで売上向上が見込めます。
バリエーションのある商品機能を使って、どのような売上アップ方法があるか
バリエーションのある商品は、商品の選択肢を提供することができるため、顧客が製品に関心を持つ可能性を高めることができます。
顧客は、自分の好みに合った商品を購入するために、商品の選択肢に注目します。バリエーションのある商品機能を使って、顧客にとって魅力的な選択肢を提供することで、購入意欲を高めることができます。例えば、アパレル商品では、色やサイズ、素材などの選択肢を提供することができます。顧客にとって魅力的な選択肢を提供することで、売上をアップすることができます。
また、バリエーションのある商品には、選択肢ごとに異なる価格や特徴があるため、顧客にとってわかりやすい情報を提供することが重要です。商品ページで、各バリエーションの説明文や画像、サイズ表などを提供することで、顧客にとって魅力的な商品となる可能性が高くなります。
以上のような方法でバリエーションのある商品を設計することで、競合他社との差別化や顧客満足度の向上につながり、結果的に売上向上に結びつく可能性があります。
バリエーションのある商品の設定方法
WooCommerce でバリエーションのある商品を設定する方法をご紹介します。
新規商品追加にて新規作成画面に切り替えます。
少し画面を下に下がると、「商品データ」という項目があります。デフォルトでは「基本的な商品」となっているのを、「バリエーションのある商品」に変更します。すると「バリエーション」タブが追加されるのがわかります。
「属性」タブをクリックし、バリエーションに使用する属性を追加します。属性というのは、その商品でのバリエーション名です。(例えば、サイズ、色、重量など)
追加方法は「カスタム商品属性」から追加する方法で説明します。(「グローバル商品属性」は後述)
カスタム商品属性に対して、バリエーションの名前と値を設定します。例えば、名前を「サイズ」とした場合、値には、S、M、L、XLといったサイズとして分類・表示したい値を設定します。さらに、「バリエーションのために使用」のチェックをわすれずに入れます。
次に、「バリエーション」タブをクリックします。基本的にはプルダウンの「すべての属性からバリエーションを作る」をクリックして全バリエーションの商品を設定します。
登録された各商品に対して、画像、SKU、価格、在庫、商品説明などの情報を追加します。
この作業を各バリエーションに設定します。完了後、下書き保存してプレビューしてみましょう。
カートを見てみると正しくバリエーション商品が追加されているのが確認できました。
グローバル商品属性とは
バリエーションのある商品の設定時に、「属性」タブで「カスタム商品属性」以外に「グローバル商品属性」があると先程説明しました。
WooCommerce には、商品属性をグローバルに設定することができる機能があります。グローバルとはオンラインサイト全体で利用できる共通の属性です。グローバル商品属性に登録することで、設定した属性はすべての商品で利用できます。つまり、グローバル商品属性を設定することで、新しい商品を追加する際に毎回属性を再定義する必要がなくなるメリットがあります。
例えば、アパレルのオンラインストアを運営しており、サイズ、色、素材などの属性を設定するとします。この場合、グローバル商品属性を使用することで、これらの属性を一度設定することで新しい商品を追加する際は設定した属性を選択するだけで済むのです。これは便利です。
グローバル商品属性を設定することで、手間が大きく減りますし、入力ミスも防ぐことに繋がります。さらに、属性の追加や削除などを簡単に行うことができ商品の管理が容易になります。
グローバル商品属性の設定方法
グローバル商品属性は、WooCommerceの「商品」設定画面から設定できます。
基本的な使い方であれば、「名前」「スラッグ」を入力して「属性を追加」となります。(属性の商品一覧ページを作りたい場合はチェックを入れる)
すると属性が追加されるので、名前をクリックして属性詳細画面へ遷移します。
値を入力する画面に切り替わるので、値の名前とスラッグ、必要に応じて説明を入力して追加します。
入力後、順番を入れ替えたい場合は右横にある三本線マークをドラッグすることで順番が入れ替わります。
追加した状態で新規商品追加してみます。バリエーションのある商品として「属性」タブを見てみると、今回設定したグローバル商品属性である「サイズ」が選択可能な状態になっているのが確認できました。
WooCommerce のバリエーションのある商品で他社と差別化
以上、WooCommerce のバリエーションのある商品機能の説明と設定方法でした。設定方法は一度わかればさほど難しくなく、むしろ細かく設計できるため選択肢の多い商品にはぴったりです。
WooCommerce は WordPress のプラグインとして配布されているため、ツール自体は無料で利用可能です。
顧客のニーズに合った商品を提供し、他社ショッピングサイトにはない機能を提供することで顧客に価値を提供することに繋がります。
バリエーションのある商品を並べる EC サイト構築・リニューアルをお考えてでしたらお気軽にご相談ください。
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