美容院のウェブサイトをWordPressでつくることに関してご相談をいただきました。
「ワードプレスの無料版で美容室のホームページを作りたいのですが、おすすめのテーマはありますか?」
「無料版」というのは有料テーマを使わないという意味なのか、WordPress.comを指すのかわかりませんが、無料テーマでWordPressを使って構築するという前提だとして答えます。「ウチのサロンは集客する必要ない」「デザインに満足していればアクセスは増えなくても良い」と思っている美容院・理容室の方にはなんの役にもたちませんのであしからず…
目次
テーマよりも内容・コンテンツ
テーマはよっぽど変わった作りでなければ正直なんでもいいです。最近のテーマだったらGutenberg(WordPress 5.0から登場したブロックエディタ)&レスポンシブデザインは大前提だし、SEOやパフォーマンス、セキュリティはプラグインで機能追加するため、例えばWordPressが用意する無料のデフォルトテーマであるTwenty Twentyで問題有りません。
デザインのイメージが決まっているなら近いテーマを探したらいいと思いますが、カスタマイズ難易度は様々としてもデザインは基本的に自由にできます。大事なのは見た目よりもコンテンツです。多くの人がサイトを公開しておしまいと考えがちですが、作ってからが本当のスタートです。ウェブサイトを見てくれた人が「見てよかった」「役に立った」と思ってもらえるような記事やページをコツコツと作って公開していくことがサイト制作やテーマ決めよりも重要です。
逆に、みんなが見たいと思ってもらえるコンテンツがすでに出来上がっているなら、別にリニューアルする必要はないし、リニューアルするときもコンテンツはそのままにリニューアルができるため、Googleからの評価を落とさないようにリダイレクトの設定をしたり、meta情報やogpの設定が問題ないか注意することはあるにしても、一つ一つの課題をクリアするだけです。
リニューアルはいつでもできます。しかし、コンテンツは一朝一夕にはできません。では、美容室や理容室はどのようなコンテンツを用意すれば集客につながるのでしょうか?
ユーザーが見たいコンテンツ
美容院サイトの3つの事例からみるサイト集客と制作についての内容とかぶるところがありますので、詳しくはこちらをみてもらえればと思います。例えば以下の3つ。
多くのビフォーアフター(事例)を掲載する
モデルを起用したヘアカタログが用意されていたとしても、実際に行った人たちが満足していなければ無意味どころかマイナスです。このサロンにお願いしたらいい感じにしてくれるのか?というのは検討しているユーザーにとって見たいコンテンツの一つでしょう。ビフォーアフターコンテンツとして、髪を切る前と切った後の写真比較があることで、こんな感じなるんだというイメージが湧きます。
上の記事でも紹介しているmonohairさんは大量のビフォーアフターコンテンツを作っています。
自分と近い髪型の人がいれば、「これと同じにしてください」って言えるしサロン側もわかりやすいですよね。
例えばこのページだとタイトルに「ワンレンロング」「ローレイヤー」「セミロング」といった髪に関するキーワードが入っている上に、本文序盤にはお客様のがどんな悩みをかかえているか明確にし、その後に色々なアングルのアフター画像のカットで変化をわかりやすくし、今回実施した内容をなぜそうしたのかという理由まで添えて書くことで、検索からの流入が期待できる上に見た人が納得する記事に仕上がっています。
SNSからの相談をコンテンツ作りに活用する
LINE@ を利用して予約やお客様とのやりとりに利用しているサロンも増えてきています。そのツールを既存のお客様や新規の予約に利用するだけでなく、単なる相談ツールとして利用し、相談頂いた内容をコンテンツにすることで、同じように悩んでネットで探している人に見てもらえるかもしれないし、それがきっかけで予約につながるかもしれません。一例をあげますと、
【LINE@で髪の相談】美容室での失敗・悩みを相談して解決事例! では、LINEを利用してホームページを見た人から髪の悩みを相談され、圏外の人にも関わらず無料で相談にのってあげ、最終的にそのコンテンツを記事として投稿しています。
これにより、同じような悩みを抱えた人が見ることでアクセスが増えますし、もし圏内の人が見ていたら新規の可能性もあります。もとより、このようなお役立ちコンテンツをコツコツと書いていくとGoogleはドメイン自体のSEOを考慮し「地域名 + 美容院」「地域名 + ヘアサロン」というような検索結果上位が難しいとされているキーワードでも上位に表示される可能性があがります。
どんなコンテンツを書けばいいかわからない!とお悩みなら、悩んでいる人から募集するというのは一番のコンテンツになりえますよね。
長さやイメージの絞り込みやタグで見れるヘアカタログ
これは技術的に少しハードルがあがりますが、ヘアスタイルをたくさん乗せるなら最初に検討しておきたいところです。
美容院サイトでは色々なヘアスタイルを掲載していることが多くあります。それだけならよくあるのですが、ヘアカタログは多いほうがいいですので数百枚〜数千枚にもなりますし、定期的に追加されていくためどんどん増えていき、見る側は自分の見たいヘアスタイルにかんたんにたどり着けないかもしれません。そこで、様々な条件で絞り込みできたり、色々なキーワードのタグで見れると一気に使いやすくなります。
ヘアスタイル | 美容室・美容院アース ヘアサロン では、通常のヘアスタイルページからもう一歩踏み込んで、ロングやミディアムといった長さ、ナチュラルやエレガントといったイメージ、20代や40代といった年代をかけ合わせた絞り込み検索を実装。また、ゆるふわや抜け感といったキーワードによるタグ検索にも対応し、ユーザー側は自分が見たいと思うヘアスタイルをストレスなく探すことができます。
技術的にはプラグイン導入と設定が必要ですが、WordPressの場合、カスタム投稿とカスタムタクソノミーで作ることで使いやすいヘアスタイル専用の投稿タイプを実装できます。例えばCustom Post Type UI プラグインを導入することでカスタム投稿もカスタムタクソノミーも作成可能です。プラグインの説明は英語ですが、プラグインの導入から設定方法はウェブで検索すれば日本語で使い方を丁寧に解説した記事が出てきますので、参考にしながら実装することはそこまで難しいことではないと思います。
アクセスしてくれた人を想うこと
結局最適なテーマの話ではなくコンテンツの話になってしまいましたが…やはり見た目よりも中身が大事なんですよね。テーマはいつでもいいのがあれば乗り換えられるわけで。逆に言えばゴリゴリカスタマイズが前提のテーマを作ることも方法がマッチしていればアリなんですが、テーマ変更のテストで時間と費用がかかることになります。なので最初は見た目も大事ですがコンテンツ作成に限りあるリソースを使うことをおすすめします。
そして、その貴重なリソースを割いて作られたコンテンツで大事なのは、
自分のためになるコンテンツはなるべくすくなくする
ということではないかとつくづく思います。自分もよくやってしまいがちですが、自分のための宣伝、自分がいいたいこと、相手を見ない一方的な会話…普通の会話は相手の反応を見てこれは面白い反応をしているな、とか、これはつまらなそうだな、といった反応を見て、話す内容を考えますよね。相手がつまらなそうなのに一方的に会話をしていたらまた話したいとは思ってもらえないでしょう。ウェブもそれと一緒で、相手のためにならない情報は掲載しない、更新しないようにすれば自ずとアクセスは集まると思います。それで、大事な宣伝はたまにちょっとすればいいのです。ただそれだけだと完全ボランティアで趣味になってしまいますからね。
テーマ選びやデザインにこだわりすぎるがあまり、リニューアルしても全然問い合わせも予約も入らない、というようにならないように、コンテンツ制作はどんな内容を誰がどのくらいのペースでやっていくか、ということを事前に決めた上でサイト制作やリニューアルをすることが成功する理美容院サイトにつながると信じてます。
疑問点や聞きたいことなどありましたらコメント欄かお問い合わせにてご連絡ください。
コンテンツ作成以外だとSNSを活用する集客方法もありますが、これはまた別の機会に書くこととします。
コメントを残す