WordPressの頻繁な各種アップデートや面倒なバックアップ作業、ちゃんとサイトが動いているかの確認作業など、WordPressでサイトを運用しているとセキュリティ対策や万が一サイトに何かあったときのために事前対応を行う必要があります。
ここでは、個人/法人問わず日本国内でWordPressの保守管理サービスを提供している事業者を検索し、サービス内容を比較した内容を一覧表にまとめました。
以下の項目を念頭に比較しています。
- 原則、他社制作の場合でも対応できる事業者(対応外も参考のため掲載)
- 複数プランがある場合は、WordpPress保守管理の趣旨に近いものを選択
- アップデートの種類
- WordPress本体である「コア」、「プラグイン」、「テーマ」に対応しているか
- バックアップの回数・期間・内容
- 本番サイトとは別にテストサイト(テスト環境、検証環境等と呼ぶ)を作成しているか
- 保守管理のサービスとは異なるが、更新代行サービスを行っているか
- その他サービスの特徴や注意点など
保守サービス検討の参考になれば幸いです。
[2018/11/08追記] WordPress保守管理サポートを開始しました!サービス開始を記念してサービス利用料金割引キャンペーンを実施しています。キャンペーン終了しました。
[2019/04/04追記] キャンペーンは2019/04/30 を持って終了といたします。ご希望される方は下記リンクよりお申し込みお願いいたします。キャンペーン終了しました。
[2019/09/16追記] 終了したサービスや新しく開始したサービスを追加更新しました。
[2020/03/21追記] サービス内容を更新しました。
[2020/08/03追記] サービス内容、記事内容を更新しました。
[2022/05/13追記] 終了しているサービスを削除、新規サービスの追加等の記事内容を更新しました。
目次
- 1 WordPress保守サービス比較一覧表
- 2 各社サービス詳細
- 2.1 シングスマネジメント(レンタルサーバプラン)
- 2.2 WordPress.make
- 2.3 ヒラリアスメディアカンパニー
- 2.4 WP保守工房(ライトプラン)
- 2.5 インターフェイスデザインスタジオ株式会社(メンテナンスプラン)
- 2.6 うぇぶ(ベーシックプラン)
- 2.7 ティーリンク
- 2.8 Webloco
- 2.9 HPサポート119
- 2.10 アリエリンクス
- 2.11 ユーキューブ
- 2.12 スタジオブレーン
- 2.13 プライム・ストラテジー
- 2.14 ピクセルデザイン(スタンダード)
- 2.15 WordPressケアスタジオ
- 2.16 ビークリエイト WordPress保守契約プラン
- 2.17 キオミルWP保守
- 2.18 CreativeStudio樂
- 2.19 ハイファイブクリエイト WordPress 保守管理サポート
- 3 WordPress保守管理に関する用語集
WordPress保守サービス比較一覧表
以下に各紹介サービスをまとめました。詳細は各目次内からご確認・サービス先のサイトへアクセスください。(表は右にスクロールします)
サービス名 or 会社名 | 初期費用 ※1 | 月額費用 ※1 | WordPressアップデート | バックアップ ※2 | テスト環境の構築 | 死活監視 ※2 | 更新代行 | サポート | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シングスマネジメント(レンタルサーバプラン) | 0円 | 6,800円 | コア/プラグイン/テーマ | 定期バックアップ/復元(回数不明) | 無し | 有り | 無し | チャット | 手動ではなく自動化による対応。対応WP数2つまで。VPS/クラウドサーバは上位プランにて。テスト環境も上位プランにて対応。 |
WordPress.make | 0円 | 40,000円 | コア/プラグイン | 定期バックアップ/復元(回数不明) | 有り | 有り | 別途見積もり | 電話/メール | 改ざんチェック有り。初期調査費用無し。その他要望に応じて見積もり可能。 |
ヒラリアスメディアカンパニー | 30,000円 | 20,000円 | コア/プラグイン/テーマ(コアはマイナーアップグレードのみ) | 定期バックアップ(データベース、投稿画像)/復元 | 不明 | 有り | 別途見積もり | 電話/メール | セキュリティ対策プラグインの導入、ハッキング等改ざん対応等有り。初期調査後契約しない場合は15,000円(税別)がかかる。 |
WP保守工房(ライトプラン) | 25,000円 | 50,000円 | コア/プラグイン | 復元作業のみ | 有り | 有り | 月4回(インシデント)対応 | メール | 保守管理に加え、更新代行におすすめ。バックアップを行う場合は上位プランにて対応。 |
インターフェイスデザインスタジオ株式会社(メンテナンスプラン) | 0円 | 21,600円 | コア/プラグイン | 定期バックアップ/復元(回数不明) | 有り | 有り | 無し | メール | 初期調査後契約しない場合は10,800円がかかる。初期においてログインの2重認証、パスワードの長文化、管理画面へのアクセス制限といった基本設定を行う。 |
うぇぶ(ベーシックプラン) | 0円 | 14,000円 | コア/プラグイン | 定期バックアップ(1回/週) | 無し | 有り(2回/週:トップページ, 下層1P) | 有り(テキストA4サイズ1枚分) | 電話/メール | バージョンアップは2週間に1回。頻度変更は別プランにて。データベースのバックアップがない下位プランも有り。 |
ティーリンク | 54,000円 | 10,800円 | コア/プラグイン | 定期バックアップ(データベース)/復元 | 別途見積もり | 無し | 無し | メール | 初期費用キャンペーン有り。独自カスタマイズしているWordPressは基本的に対応外。セキュリティ対策プラグインの導入。 |
Webloco | 50,000円 | 10,000円 | コア/プラグイン | 定期バックアップ(1回/2週) | 無し | 有り | 有り(文章、画像差し替えが月に1回) | メール | 月額費用は2サイトまで。アップデート、バージョンアップ、チェックは2週間に1回。ドメインとレンタルサーバーの管理も対応。構築したサイトの場合初期費用無料。 |
HPサポート119 | 数万円~ | 数万円~ | 有り | 有り | 有り | 不明 | 不明 | 不明 | サイト規模、データ量、アクセス数といった内容により変動があるというのと、組み合わせるサービスにより変わるため別途見積もり。 |
アリエリンクス | 不明 | 不明 | コア/プラグイン | 復元作業のみ | 別途見積もり | 有り | 別途見積もり | 電話/メール | バックアップの管理は行わない。バージョンアップやトラブル、WPサイトの不具合サポート等に対応。 |
ユーキューブ | 不明 | 不明 | 有り | 有り | 不明 | 不明 | 有り | 不明 | 4900円〜50000円までプランが複数あり、WordPress保守の場合どのプランに該当するのか不明。ウェブサーバー、メールサーバー、ドメイン、SSL管理等の対応有り。その他ITに関する相談OK |
スタジオブレーン | 不明 | 5,000円(年払い) | コア/プラグイン/テーマ(必要に応じて) | 定期バックアップ/復元(回数不明) | 無し | 有り | 無し | 不明 | ブルートフォースアタック対策の実施。別途費用にてIPアドレス制限に対応。 |
プライム・ストラテジー | 不明 | 不明 | 要望に応じる | 要望に応じる | 要望に応じる | 要望に応じる | 不明 | 不明 | 内容に応じて見積もり。現在の制作会社をそのままに、保守部分だけを請け負うことが可能。 |
ピクセルデザイン(スタンダード) | 50,000円 | 30,000円 | コア/プラグイン | 定期バックアップ(1回/日) | 無し | 無し | 無し | 無し |
スタンダードプランの場合はバックアップと復旧がメイン。上位プランにて対応項目が増える。 |
WordPressケアスタジオ | 30,000円 | 21,000円〜 | コア/プラグイン | 定期バックアップ(1回/月) | 無し | 有り | 有り | メール |
21,000〜54,000円までプラン複数あり。カスタムフィールドを利用していると最下位プランは利用できず。年払いにて2割り程度安くなる。 |
ビークリエイト | 30,000円〜 | 10,000円〜 | コア/プラグイン | 定期バックアップ(1回/日) | 別途費用にて対応 | 有り(コアファイル改ざんチェック) | 別途費用にて対応 | 不明 |
アップデートに伴う不具合対応やバックアップからの復元、データベース最適化は別途オプションにて対応。 |
キオミルWP保守 | 0円 |
10,000円 |
コア/プラグイン | 定期バックアップ/復元(1回/月) | 有り(プランによる) | 無し | オプション | メール | 最低契約期間は1年、初期費用等無し。サイト規模や状況に応じて金額に変動有り。バックアップはデータベースとテーマは毎月実施、画像ファイルは3ヶ月に1回実施。 |
CreativeStudio樂 | 不明 |
18,150円 |
コア/プラグイン/テーマ | バックアップ/復元 | 有り | 不明 | 無し | 不明 | バックアップ先は外部ストレージ。運用助言、サポート、コンサルティング有り。 |
ハイファイブクリエイト WordPress 保守管理サポート | 0円 |
8,000円〜 |
コア/プラグイン/テーマ/翻訳 | 定期バックアップ/復元(1回/日) | 有り(プランによる) | 有り | オプション | メール | マルウェア感染やブラックリストに登録された等のセキュリティチェック、読み込み速度を改善するサイト高速化対策、定期レポート報告など有り。最低契約期間、初期費用等無し。上位プランによりECサイトや多言語サイトも対応可能となり、PHPアップデートやテスト環境構築も行う。 |
※1 参照元の金額を記載しています。正式な金額は遷移先サイトにてご確認ください。
※2 詳細が記載されているものは分かる範囲でカッコ内に記載しています。
各社サービス詳細
以下、確認した各社サービス内容をまとめました。記載時点での情報となりますので、正確な情報はサービス元での確認をお願いします。
シングスマネジメント(レンタルサーバプラン)
初期費用0円、月額費用6,800円とサービス内で一番安くなっています。また、対応するWordPress数は2つまでのため最大1つあたり3,400円とかなり低価格で提供されています。
サービス内容を見てみると、WordPressのアップデートはテーマまで対応しており、バックアップは回数は不明なものの定期的に行っています。
セキュリティ対策として初期設定時にセキュリティ対策用プラグインの導入を行い、運用中は24時間死活監視。他にも、WordPressに関する質問やサーバーの乗り換え等の相談に乗ってもらえるのも嬉しいサービスです。
障害対応による復旧は料金内で対応。
一点、テスト環境の構築は上位プランでは対応ですが、レンタルサーバープランでは対応外です。また、サポート方法はチャット(ChatWork)とのこと。
更新作業はついていないため、「レンタルサーバーを使っていて、複数のWordPressの保守管理を安くお願いしたい」という方には利用しやすい価格帯のサービスと言えるでしょう。
WordPress.make
初期費用は0円ですが、ランニングの月額費用は40,000円と他社より少し高額ですが、その分メールと電話のサポートが受けられます。また、初期費用調査は無料のため、気軽に相談できます。更新作業を依頼したい場合、別途見積もりにて対応可能です。
WordPressアップデートはコアとプラグインのため、公式ディレクトリのテーマや購入したテーマでアップデートがある場合は対応外となります。
定期バックアップに加え復元も料金内で対応。また、テスト環境の構築がサービスとして提供されます。その他要望に応じてサイト構築、ドメインやサーバーの保守も可能です。
ヒラリアスメディアカンパニー
初期費用30,000円、月額費用20,000円にて提供。アップデートはテーマまで対応していますが、コアに関してはマイナーアップデートのみとなり、メジャーアップデートについては「メジャーアップデートの際はリスクを避けるため、ご相談の上、ある程度安定したバージョンでアップグレードを行います。」と注意書きがあります。
また、バックアップ対象はデータベースと投稿画像となり、その他のウェブデータは含まれないようです。
WP保守工房(ライトプラン)
初期費用25,000円、月額費用50,000円。バックアップが必要な場合は80,000円/月の上位プランにて対応可能です。テスト環境構築や死活監視あり。
「コンテンツの追加」「WPサイトの引っ越し」「独自プラグイン開発」というようなWordPressサイトにまつわる作業や改修等に対応する「インシデント」というサービスがついてくるため、日々運用していく中で起こる様々な問題の多くを解決してくれるサービスです。他の保守管理サービスの場合、「復旧は別料金」「更新は別途見積もり」というのが通常のため、「洗い出しきれない問題にも対処してほしい」 という要望が強い場合は利用しやすいサービスかと思います。
インシデントは4回となり、1インシデント 15,000円にて追加可能。
インターフェイスデザインスタジオ株式会社(メンテナンスプラン)
初期費用0円、月額費用21,600円。テーマ以外のアップデートに対応し、回数は不明ですが定期バックアップと復元対応、テスト環境の構築、死活監視といった内容がサービスに含まれています。
「バックアップデータは圧縮して転送しますので、利用中のレンタルサーバーに圧縮データ分の空き容量が必要です。」とあるとおり、バックアップ先はユーザーが契約しているサーバ内に保存するようですので、万が一サーバごとデータが紛失した場合は復元ができません。(基本そのようなことはありませんが、2012年に全データが消失した事故があったサーバもありましたので可能性はゼロではありません)
死活監視はプラグインによる設定のため、プラグインが利用できない・動作しないといった場合はサービス対象外となります。
マルチサイトは対応可能ですが、別途テーマ数×2,700円/月の追加費用がかかります。また、子テーマ利用やレスポンシブではなくデバイスをスイッチするプラグインを利用してスマホ対応している場合も同じく追加料金がかかるとのこと。子テーマ利用でのWordPressサイト構築は割と一般的だと思うのでその場合は要注意ですね。
うぇぶ(ベーシックプラン)
初期費用0円、月額費用14,000円。テーマ以外のアップデート、週1回のバックアップ、週2回の監視(トップページと下層1ページ)、A4サイズ程度の更新代行作業が含まれていることから、「更新作業も少し頼みつつWordPressの保守管理もやってほしい」という場合に利用しやすいサービスです。
アップデートは2週間に1度、監視は週2回おそらく手動の対応となりますが、メールに加え電話のサポート有り。また月に一度アクセス解析レポートの提出があります。
費用がさらに安い「監視が週1度、バックアップはサイトデータのみ、アップデートは4週間に1度、更新作業なし」という8,000円の下位プランもあります。
ティーリンク
初期費用54,000円、月額費用10,800円。テーマ以外のアップデート、バックアップはアップデート前に実行、復旧作業込、セキュリティ対策が主なサービス内容です。
初期導入時にセキュリティ対策として、管理画面へのアクセス制限、セキュリティ対策プラグインの導入を行うと記載があります。
バックアップは月1回程度の作業目安とのことなので、タイミングによっては緊急アップデートにすぐに対応できない可能性があるかもしれません。また、テスト環境構築は別途見積もりにて対応可能とのことです。
Webloco
初期費用50,000円、月額費用10,000円。テーマ以外のアップデート、2週間に1回のバックアップと監視、文章と画像差し替え程度の更新代行がサービス内容となります。
費用内で2サイトまで対応可能のため、実質月額費用は1サイト5,000円となります。また、年払いの場合1ヶ月分割引となります。
HPサポート119
初期費用、月額費用それぞれ数万円〜。組み合わせるサービスによって価格が決まるシステムとなっていて、例えばサーバ管理、死活監視、訪問、周辺機器やウェブサービスの相談や設定など、要望次第で柔軟な対応が可能な印象です。
月額費用は変動のようで、「サイトの規模、データ量、更新頻度、CMSの有無及び構成、稼働システム、アクセス数」といった要因により変わるとのこと。
WordPress保守管理に限らず、統括的なソリューションを求めるケースが使いやすそうです。
アリエリンクス
初期費用、月額費用は問い合わせにて。アップデート、復元、死活監視、メール電話によるサポートが主なサービスです。バージョンアップによるトラブルは料金内にて対応しますが、バックアップデータの保持はしていないため別途用意する必要があります。
また、プラグイン導入の相談にのってくれるとのことです。
ユーキューブ
初期費用、月額費用8,300〜50,000円。WordPress保守管理がどのプランに該当するかページからはわからなかったため、問い合わせる必要有り。最安のライトプランはWordPress対応外のため、スタンダードプラン以上のようです。
「セキュリティ・バックアップに力を入れています。レンタルサーバーでハッキングやデータ損失の被害にあってしまった方もご相談ください。」という記載を見る限り、バックアップ先は外部サーバーのようです。
他になかったところとして、LINEでの問い合わせを受け付けていました。
スタジオブレーン
初期費用不明、年間費用60,000円。アップデートは必要に応じて対応、定期バックアップと復元対応、死活監視がメインのサービスです。テスト環境構築は特にありません。
よりセキュリティを高めるため、IPアドレスでのアクセス制限がかけられる場合は別途費用にて対応可能です。
追加時点では社内制作のみが対象となり、社外は要相談とのことです。
プライム・ストラテジー
初期費用、月額費用不明。基本的には要望に対して最適な提案をする形でのサービス提供となります。現在付き合いのある制作会社はそのままに、WordPress保守管理のみを請け負うことができ、交えての打ち合わせも可能とのことです。
高速WordPress環境のKUSANAGIを開発しているため、WordPressの内部設計を熟知したエンジニアを擁しているシステム会社です。
ピクセルデザイン(スタンダード)
初期費用50,000円、月額費用30,000円。以前は他社制作は非対応で自社制作のクライアント向けのサービスと書いてあったと思いますが、今はそのような制限はないようでした。
テーマ以外のアップデート、1日1回のバックアップがサービス内容となり、50,000円のプレミアムプランの場合ステージング環境構築やプロジェクトマネジメントツールのBacklogとの連携、バージョン管理のGit導入、CSS等のデザイン編集作業などがプラスされます。
WordPressケアスタジオ
初期費用33,000円、月額費用23,100 / 33,000 / 59,400と3つのプランがあり、小規模サイトからECサイトまで対応の保守管理サービスを提供しています。
価格は月払い時となり、年払いの場合は2割弱ほど安くなります。
カスタムフィールドを利用していると23,100円のプランではなく33,000円のプランになるため、最下位プランが適用できるのはブログや簡易的なコーポレートサイトがメインになりそうです。
サイト死活監視、コア/プラグインアップデート、バックアップ(月に1回)、セキュリティ対策にて幅広く対応しています。
ビークリエイト WordPress保守契約プラン
初期費用30,000円、月額費用はプランにより10,000 / 30,000 / 60,000円です。
WordPressの仕様に関するお問い合わせ対応や、WordPressで実装している機能の操作サポートまであるため、手厚いサポートを希望する場合にいいかもしれません。
アップデートに伴う不具合の対応や、バックアップからの復元は別途オプション費用のため、毎月の費用以外にもかかる場合があります。
キオミルWP保守
初期費用0円、月額費用30,000円のワンプライス。ただし、サイト規模や状況により価格が変動するとのこと。
提供サービスとしては、WordPress本体・プラグインのアップデート、セキュリティ強化、定期バックアップと復元作業、検証用環境の構築、月1回の改ざん調査作業、月次レポート提出、メールサポート等が含まれており、基本的なWordPress保守で必要な内容は網羅されている印象です。
最低契約期間は1年。契約対象は法人のみとなり、個人は不可となります。
CreativeStudio樂
初期費用不明、月額18,150円で運用助言、サポート、コンサルティングまで含めた保守サービスです。
アップデートはコア・プラグイン・テーマを含め、セキュリティ設定、マルウェア改ざん監視、バックアップと障害時の復旧対応、テスト環境構築を提供しています。
運用助言、コンサルティングがどういったサービス内容まで含めるか書かれていませんが、「保守に加えてサイトに対して助言までしてもらいたい」という場合には良いのではないでしょうか。
ハイファイブクリエイト WordPress 保守管理サポート
弊社サービスにて恐縮です。初期費用0円、月額費用8,000円〜で他社で制作されたWordPressサイトも保守管理するメンテナンスサービスです。
アップデートはコア、プラグイン、テーマ、翻訳と全て対応し、毎日外部ストレージへバックアップ。死活監視とマルウェアスキャンを含むセキュリティチェックを実施し、行った作業は定期的にレポートで報告されます。また、運用のしやすさとセキュリティ対策のバランスをとったセキュリティ対応を実施します。個人や組織の自サイトでの利用はもちろん、クライアントサイトの制作のみを行っている制作会社や個人事業主も利用可能です。
プランは複数あり、ビジネスプラン(18,000円/月 税別)ではPHPのアップデートやテスト環境の構築、カスタマイズプラン(28,000円/月 税別)では加えて高度にカスタマイズされたテーマ対応や独自プラグイン対応、カスタマイズプロプラン(48,000円/月 税別)ではマルチサイトやECサイト、会員制サイトなど高度な機能を持つWordPressの保守管理が可能です。
WordPress保守管理に関する用語集
補足として、保守管理サービスでよく利用されるキーワードを説明します。
WordPressアップデート
アップデートには厳密に4種類あります。
- コア(WordPress本体)
- プラグイン
- テーマ
- 翻訳
セキュリティアップデートの場合、原則コアとプラグインが対応されます。テーマは有料テーマやWordPress公式ディレクトリから配布されているテーマを利用している場合、アップデートが適応されると管理画面からアップデートできるようになります。翻訳のアップデートはプラグインアップデート時等にアップデートされることが多いですが、遅れてアップデートされる場合もあり、その場合は個別でアップデートします。
サービスによってはテーマは対象外というのも多いため、サイトのテーマにアップデートがあるのかどうか事前に調べておき、利用サービスを選定するようにしましょう。
参考記事: WordPressのアップデートやセキュリティ対策をしなかったことで実際に起きた事件
メジャーアップデートとマイナーアップデート
WordPressのアップデートにおいて、WordPress本体であるコアのアップデートの種類の名称です。メジャーアップデートとは大きな機能追加やWordPress本体の設計に関わる変更などの場合、メジャーアップデートとなり、バージョンの4.3や4.7といったリリースとなります。
逆にマイナーアップデートとはセキュリティ対策された緊急リリースやバグ修正、報告された不具合への対応などの比較的軽微なリリースにあたります。バージョンの4.9.6や4.5.15といった数字です。
自動アップデートが有効になっている場合、基本的にはマイナーアップデートは自動更新されます。最新のWordPressを使っていない場合でも後方互換性が保たれるため、各バージョンの最新にアップデートされます。
マイナーアップデートは機能追加等は含まれてないため、アップデートによりサイトの表示がくずれたり、機能が使えなくなるといったことは基本的に考えれません。メジャーアップデートのアップデート時は必ずバックアップをとってからアップデートを行いましょう。
バックアップ
WordPressのデータはWebデータ(php, css, javascript等のデータ)とデータベース(記事や固定ページの中身)に別れます。基本的にはこの両方があればサイト完全バックアップといえます。復元の際はサイト完全データが必要となりますので、どちらか一方ではなく両方を用意しましょう。
保守サービスを利用するにはまずバックアップの対象がどこまでなのか確認し、基本的にはサイト完全データをバックアップするサービスを利用します。
参考: なぜ WordPress はバックアップが必要なのか
テスト環境
テスト環境とは、稼働中の本番サイトとは別に同じ状態を複製したサイトのことを言います。他に検証環境やテストサイト等の言い方もします。WordPressのアップデートにおいて、メジャーアップデートの場合は稼働中の本番サイトでアップデートすると、予期せぬ不具合やエラーが起こりサイトにアクセスできなくなるリスクがあります。そのリスクを回避するため、テスト環境にて実行し確認&問題があれば対応した上で本番環境でアップデートすることにより、安全なサイト運用が可能です。
また、一部改修やリニューアルの際もテスト環境で関係者確認を行い、本番環境に実装するといったスムースなフローを取ることができます。
参考記事: WordPressのテストサイト・検証用環境の作り方
死活監視
死活監視とは、ウェブサイトに問題がなくアクセスできる状態か、サーバーがダウン等してウェブページが見れない状況になっていないか常時プログラムで確認することを言います。WordPress保守の場合、基本的には完全自動化することが基本ですが、サービスによっては手動での定期チェックもあります。
死活監視の対象としては、トップページのみ、またはトップに加え下層ページ1ページを対象とするケースが多いです。例えばWordPressの場合、パーマリンク設定に不具合があるとトップページが問題なくとも、記事個別ページが404エラーになってしまうケースがあります。
PHPのバージョンアップ
WordPress はプログラム言語である PHP を利用して動作しているため、PHP のバージョンに依存します。
WordPress を実行するには、以下のホスティング環境を推奨します。
要件 | WordPress.org 日本語
PHP バージョン 7.4 以上。
記事執筆時点では PHP のバージョンは 7.4 以上が要件となっています。一応、5.6.20 以上の古いバージョンでも動きますが、 PHP 7.3 以下は公式サポートがすでに終了しているためリスクがある状態です。できる限り最新のバージョンを利用することが望ましいです。
PHP のバージョンアップを行うとエラーでサイトが見られないというケースもありうるため、安全のため前述のテスト環境でバージョンアップし(その際はエラーをあえて表示させるように一時的に設定変更する)、各画面問題ないことを確認した上で本番環境でバージョンアップを行うことを推奨します。
参考記事:
古いバージョンのPHPを使い続けていくことの問題点
「デバッグせずエラー発生」WordPressサイトにおけるPHPバージョンアップの注意点