WordPressを利用の場合、静的HTMLにくらべてサーバーの性能が低いとサイト表示が遅かったりサーバーダウンが頻発する可能性があります。そのようなことが続くと閲覧ユーザーにとってストレスな状態となり、せっかくの訪問ユーザーを見逃してしまうリスクがあります。
PV数が月数十万や数百万の場合は専用サーバーやVPSという選択肢がとれますが、まだスタートしたばかりのサイトやこれから構築するサイトの場合、サーバー代に費用を捻出することは容易ではありません。また、サーバーの使いやすさや総合的な使い勝手なども検討する必要があります。
「サーバーの表示速度はそこそこ早く、快適なサーバーがいい。だけど、あまり費用をかけられない。」
そこでここでは、今までさまざまなWordPressサイトを各レンタルサーバーを利用して公開・運用してきた経験を活かし、比較的安価な費用でWordPressを快適に運営し、総合的に見て使いやすいサーバーを比較しご紹介します。
PHPの処理速度の参考値は以下サイトを参考にさせていただきました。
目次
前提条件
ここでご紹介する対象は、おおまかに以下のような対象者を前提としています。
- これから構築する、または公開してまだアクセスが少ないサイト
- 中小規模の会社や店舗、または個人のサイト
- レンタルサーバーを検討
- メールも同じサーバーで管理
完全に当てはまらなくても、おおよそ上記のような条件でどのサーバーがいいかを考えていきます。
WordPressの利用条件
PHPとMySQLのバージョン
WordPressの利用にはPHP, MySQLのバージョンとしてPHP 5.2.4 以上、またMySQL 5.0 以上が必須となります。とはいえ、公式のサポートが終了していることや、表示速度の観点から最新のバージョンを利用することをおすすめします。
現在であれば、php7.1を利用できるサーバーが多いですので、特に理由がなければ是非最新版のPHPを利用しましょう。
WordPressの自動インストール
WordPressはサーバーはインストールする必要があります。初心者の場合は手動よりもレンタルサーバーのコントロールパネルから自動インストールを行うことが正確かつ簡単です。自動インストール機能があるレンタルサーバーを利用しましょう。
最近のレンタルサーバーであれば自動インストールや簡単インストールといった名称でサーバーのコントロールパネルから操作できることが多いです。
WordPressを快適に利用するために
レンタルサーバーは大容量ディスク容量や作成可能なWordPressサイト数なども魅力的ですが、WordPressサイトを利用する場合はそれらの項目よりも転送量やPHPの処理速度を重要視します。
データ転送量
ウェブサイトにアクセスすると閲覧者は画像やページを構成するHTMLファイル等を一時的にダウンロードします。例えばトップページの容量が1MB、1日に100アクセスがあると100MBの転送量となります。
レンタルサーバー各社は1日の目安となる上限転送量を設けていることが多く、これにはサイトへのアクセス以外にFTP経由でのアップロードやダウンロード、メールの送受信も基本的に含まれています。
仮に上限が10GB/日のサーバーの場合、上記の例でサイトアクセスのみで計算すると1日に1万アクセス、1ヶ月30万アクセスまでは理論上可能です。
実際はキャッシュが有効になっていることで容量を節約できたり、同じサーバーに入っている別サイトへの急激なアクセス増加等によりサーバーダウン等もあるため、一概にこの数字だけで判断はできません。目安としてお考えください。
PHPの高速処理設定
WordPressは静的ページと違って、ユーザーがアクセスした瞬間にページを生成するため、サーバーへの負荷がかかります。プラグインをたくさん使っていたり、無駄な読み込みが多いテーマ、ウィジェット等を多用しているとその分サーバーへの負荷も比例して高まり、結果的にサイトの表示速度が遅くなる傾向があります。
例えばXserverには、PHPを高速に処理する機能として、FastCGI機能があります。この機能を利用すると負荷が軽減し、結果として処理速度が向上します。
また、先ほども述べたPHPのバージョンとして7等の最新版の利用を推奨しましたが、PHP7の場合は5.6等以前のバージョンに比べて処理速度の向上も見込めるため、表示速度の観点からも特に理由がなければ最新版のPHPを利用しましょう。
セキュリティも重要項目
WordPressはオープンソースのため、セキュリティ対策をしっかりしておく必要があります。専任の管理者を立てられればいいですが、担当者や経営者がそのまま対応、というケースが実態かと思います。
レンタルサーバーを利用する前提のため、総当りにWordPressにログインするブルートフォースアタックや、海外からの予期せぬアクセスなどを遮断してくれるレンタルサーバーを選定しましょう。
ここを甘く見て安すぎるサーバーを利用すると、WordPressに不正なコードを埋め込まれたり、不正ログインなどの被害を被る可能性があります。
WordPressに適したサーバーまとめ
高スペックなサーバーを用意できれば快適なサーバーを利用できるでしょうが、ランニングコストのためできるだけ抑えつつ、WordPressをなるべく快適に利用できるという条件でサーバーを選定します。
上記のような機能や使い勝手を検討すると、月額費用にしておおよそ500円〜1000円程度のサーバーが実際の選択肢としてあがってくるかと思います。
サービス・プラン名 | 初期費用 | 月額サーバー費用 | 転送量 | メモリ | 参考 処理速度 |
ロリポップ スタンダード |
1,500円 |
540円 |
100GB/日 | ? | – |
さくらインターネット スタンダード |
1029円 |
429円 |
80GB/日 | ? |
11.10 |
Xserver X10 |
3240円 |
1080円 |
70GB/日 | 192GB |
22.50 |
コアサーバー CORE-A |
0円 |
397円 |
無制限 ※1 | 最大384GB |
6.95 |
ヘテムル |
2000円 |
900円 |
80GB/日 | 128GB | 17.21 |
mixhost スタンダード |
0円 |
980円 |
60GB/日 | 1GB | – |
※1 規定転送量以上で、かつサーバー全体で負荷がかかっている場合は単位時間あたりの量を調整
メモリは実数値として192GBのXserverが処理速度として1位となりました。
コアサーバーは最大数値となりますので、利用するサーバーによっては快適に利用できるかもしれません。また、コアサーバーは2017年10月にパフォーマンスを強化した全サーバーリニューアルを行っており、現在はこの速度よりもっといい数字が出る可能性があります。
WordPressおすすめサーバーまとめ
複数あるサーバーから条件を絞り込んでいった結果、条件にあったのは「エックスサーバー」でした。一通りサーバーを試してみましたが、WordPressサイトを運用する上でサイトの表示スピードは高速で快適に利用でき、コントロールパネルも使いやすく、海外からの不正アクセス対策もWordPressの機能をよく考えた上で実施していると感じました。
また、ウェブサイトのSSL対応への流れに関しても、無料SSL対応がコントロールパネルから簡単に設定出来る点も高評価に繋がりました。
そのため、WordPressサイトを快適・安全・安心に運用するならば是非Xserverをおすすめします。