プロジェクト管理ツールであるBacklog。2017年に一度触り一旦止めたものの、その後少し空いてもう一度トライし、2018年から本格的に使い始めて3年以上経過しました。
利用方法は各案件のタスク管理で利用することがメインですが、ソースコードのバージョン管理としてGitリポジトリをBacklog上に作成できます。それにより、Gitと課題を連携させることができるので、課題から進捗状況が追え、あとから確認するときも容易です。
今回はBacklog内にGitリポジトリを作成・連携することによるメリットやデメリットについてご紹介します。
目次
Backlogは操作しやすくわかりやすい
まずは簡単にBacklogについて。プロジェクト管理ツールは無料有料含めて色々とあります。TrelloやRedmine、Asanaなどが有名ですが、Backlogは操作がしやすく理解しやすいので、利用者の幅広いITリテラシーに対応してくれるので、こういった新しいツールを使うのが苦手、というクライアントにも提案しやすいです。
機能も揃っており、課題管理はもちろん、Git以外にもWikiやファイル共有、ガントチャートやカンバンボードといった各種機能もあります。全部は使いこなしていませんが、必要なものだけを使うというのでも十分。
詳しくは以前に記事に書きましたのでご参考にしてください。
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現状がどうなっているのか、今何をすべきかが可視化される課題管理画面
仕事のやりとりはSlackやメールでという人が多いと思います。メールは様々な課題が一つのメールに入れられるため、課題管理には不向きです。Slackはやりとりがしやすくいいのですが、チャットである前提上、やりとりが流れていってしまいますし、「今誰で止まっている?」がわかりづらいです。
その点Backlogでは課題に紐付いてやりとりができるため、やりとり自体は時系列に並びますが、課題ごとに分かれているため、あとからでも簡単に探せます。
課題一覧画面には登録した課題が並び、ステータスやキーワードでソートできます。基本的には今現在実施すべき課題が並んでいます。
課題詳細画面では、課題の概要から始まり、優先度や「今誰がこの課題のボールをもっているか」か可視化されつつ、コメントエリアでこの課題に関するやりとりができます。あとから「そういえばあの件どうなったっけ?」となったときにでも、課題ごとにまとまっているため簡単に状況を理解できます。
そして前置きが長くなりましたが、このコメントエリアにGitリポジトリの動きを連携できるのです。
メリット1: 開発の進捗がわかる
例えば機能追加の要望を開発メンバーが対応するケース。Gitでバージョン管理していますが、開発メンバー以外のメンバーはGitのことはよく理解していません。
開発は進行し、追加・変更されたファイルがその都度Gitでコミット・プッシュされ、検証環境に反映され、不具合があれば対応して反映を繰り返します。ここまで機能追加から数日とします。しかし、その間開発メンバー以外の関係者はどの程度進行しているのか、わかりません。「いつ頃出来上がるのだろう?」「忙しいタイミングでの依頼だったかな」と考えてしまう場合や、「進捗はどうですか?」というような(開発側からすれば士気の下がるであろう)連絡がある場合も考えられます。
一方、Backlogを使いGitを連携した場合。
Gitでコミットの際に課題キーを書いておくと、該当の課題のコメントに自動的に登録されます。これにより、Gitでプッシュされると課題にコメントがあったことが更新されるため、手動で誰かがコメント機能で「○○の機能の一部を追加しました」などと登録する必要がありません。そして関係者は「今○○の機能を開発中なんだ」というのがわかります。
参照: 意外と便利?課題キーリンク | Backlogブログ
メリット2: コミット履歴にリンクされる
課題キーをいれてコミット・プッシュすることでBacklogのコメント内にコミット履歴へのリンクが貼られるため、Backlogのコメントから該当のコミット履歴を確認することができます。
これはどういうことかというと、先程Gitでコミットの際に課題キーを書いておくと説明しました。これにより、Backlogの課題にコメントが自動的に登録されます。当然、Gitのコミット履歴にも追加されるのですが、コメント内から直接コミット履歴に遷移できるリンクを生成してくれるのです。
このリンクをクリックすることで、該当するファイルにどんな修正や追加を行ったのかがソースコードとして確認でき、差分表示もしてくれるため、非エンジニアで具体的なコード内容が理解できなくても、どのファイルに対してどんなことを行ったのかというざっくりした内容が見えます。
Gitのことを理解していなくても、「今何に取り組んでいるのか」「進捗状況」などが見えるようになり、ディレクターやマネージャーなど開発以外のメンバーが進捗がわかるようになり、それにより不要な連絡も減りチーム全体の効率化に寄与します。
デメリット: 開発メンバーは気が抜けない
上記のことから、開発以外のメンバーでもBacklog内から容易にGitリポジトリを閲覧できるようになります。さらに、ある程度ソースコードを読めるディレクターやマネージャーだと、プログラムや作業内容に突っ込みがあるかもしれません。
今まではバージョン管理は開発メンバーだけアクセスできた、という環境だった場合は閲覧できるメンバーが追加されるため、常に見られることを意識した作業が期待されるようになります。
ただこれはいい意味で手の抜けない環境になるので、チーム全体で見ればむしろメリットの方が大きいと感じます。
将来のためにより良い開発環境を構築する
以上、Backlog にGitを連携することによる説明とどんな影響があるか、といった内容でした。
将来のことはどうなるかわかりませんが、仮にリモートワークがこのまま定着し一般化した場合、効率よくミスやストレスなく仕事を進められる環境が望ましいと考えます。そのために、今回のようにBacklogとGitを連携し、リモートでチームとして動いていても適切にプロジェクトを進行できる基盤が構築されていると、今後起こる変化にも柔軟に対応できるのではないかと思います。
ちなみに、Backlogはスマートフォンのアプリもあり、iOSアプリの記事執筆現在の評価は4.3(約1800件の評価)と使いやすいと評判です。出先でも簡易的なレスポンス程度は取れがほうがいいので、よりスムーズなプロジェクト進行のため環境構築はやっていきたいですね。
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