ウェブサイトで問い合わせフォームやエントリーフォーム等を表示する際、特定の期間だけ別のフォームを表示させたい場合があります。WordPressプラグインの「MW WP Form」を使って、同一ページを使いつつ、A期間だけフォーム1・B期間だけフォーム2というように複数のフォームを切り替える方法を解説します。
目次
採用エントリー期間外も有効に活用したいという背景
例えば新卒採用のエントリーフォーム。新卒採用のエントリーフォームは通常、エントリー期間外には受付を停止しています。受付停止期間にページにアクセスしても、「受付終了しました」というような文言が書かれているだけなので、応募検討をしている人はまた受付開始のタイミングで再度アクセスしないといけません。
そこで、「期間外でも情報を集め、次の採用活動に生かしたい」という要望が上がりました。
従来のエントリーフォームとは別に、受付停止期間中は項目数の少ない簡易的なエントリーフォームを表示しておき、見込み応募者からフォームを受け付けるようにします。こうすることで通年フォームが稼働している状態となり、結果的により多くの応募が集まる可能性が高まります。
新規ページ作成すると都度リンク変更などの手間がかかる問題
従来のエントリーフォームはそのままに、簡易版のエントリーフォームを表示するための新規ページを作成するという方法もあります。
しかしその方法だと、サイト全体のメニュー、フッター、サイトマップなどを都度更新する必要があります。また、すでにブログやニュースといった各ページからリンクされている場合もあるでしょうし、さらには外部サイトや紹介ページからリンクされている可能性もあり、その上確認画面や送信完了画面も新しく作成する手間がかかります。
これらを考えると、現実的ではありません。
期間によってフォームを切り替えることで解決
ではどうすればいいか。解決策として、従来のエントリーフォームよりも項目数の少ない簡易版のエントリーフォームを用意し、エントリー期間に応じて切り替える方法を採用しました。
MW WP Formで作成したフォームを固定ページなどのページに表示するには、ショートコードを設定することで作成したフォームが表示されます。


よって、複数フォームを同一ページ内で切り替えるには、ショートコードを変更することで簡単にフォームを切り替えることが可能です。
変更する箇所は、エントリーページ、確認ページ、送信完了ページに設定されているMW WP Formのショートコードを変更するだけです。
1. エントリーページのショートコードを変更
予め変更するフォームを先に作成しておいた上で、エントリー期間に応じて、フォームのショートコードを設定します。
2. 確認ページのショートコードを変更
確認ページにも同様に、期間に応じたショートコードを設定します。
3. 送信完了ページのショートコードを変更
最後に、送信完了ページのショートコードも期間に応じて変更します。たったこれだけ。シンプルです。設定するショートコードは3つとも同じショートコードです。
切り替えるフォームのURL設定は同じにするのを忘れないように
ひとつ注意点として、切り替え対象となるフォームのエントリーページ、確認ページ、送信完了ページの各URLは同一にしておく必要があります。MW WP Formの各フォーム設定から「URL設定」にあるURLは同一になるように設定しておきましょう。

フォームの切り替わりチェック
正しくフォームが切り替わっているかどうか確認します。テスト用のフォームとして、従来のフォームが「フォーム1」、新しいフォームを「フォーム2」としました。
エントリーページはもともとは「フォーム1」を表示しています。

上記の切替後、正しく「フォーム2」が表示されています。送信テストを行い、確認画面・送信完了画面へ遷移し、設定したフォームの問い合わせデータがカウントされていることも確認できました!

ショートコードはどのように管理するのが望ましい?
複数のフォームを切り替えるため、以前設定したショートコードにすぐに戻したいけど、わざわざメモを残しておくなどの運用は属人的・効率的な観点からあまり推奨されません。フォームを変更する場面でにおいて、ショートコードの管理はどのように行うのが効率的でしょうか?
まずは、WordPressの標準機能である「リビジョン」の活用が考えられます。


他には、HTMLのコメントアウトを活用する方法です。WordPress のブロックエディタにはカスタムHTMLブロックがあり、コメントアウト(<!-- この中に書く文章は表に表示されない -->
)が利用できます。

表には表示されないものの、ソースコードには書き出されているため、その点は気に留めておく必要があります。

関わる担当者や各人のスキル等に応じて管理方法は決めましょう。個人的にはリビジョンがわかりやすくおすすめです。
キャンペーンやイベントなどフォーム切り替えの事例
他にフォームを切り替えることがありそうな事例はどんなのがあるか、ChatGPTに考えてもらいました。
イベント登録フォーム
イベントごとに異なるフォームが必要な場面で、一つのページ上でフォームを切り替えることがあります。例えば、イベントの種類や日付に応じて切り替えることで、使い回しが可能です。
キャンペーン応募フォーム
特定のプロモーションやキャンペーン期間中だけ、通常とは異なる内容のフォームを表示することがあります。キャンペーンが終わったら元のフォームに切り替えられます。
アンケート・フィードバックフォーム
時期や目的によって、顧客からのフィードバックを求める内容が変わることがあります。このような場合、必要な情報に応じてアンケートフォームを切り替えることができます。
問い合わせフォーム
サービスや製品によっては、季節や時期によって問い合わせの内容が大きく変わることがあります。例えば、夏場にはエアコンの修理や設置の問い合わせが多いかもしれません。このような場合、季節に応じて問い合わせフォームを切り替えて、必要な情報を簡単に収集することができます。
会員登録フォーム
一定期間限定で特典を提供する新会員キャンペーンなどがある場合、その期間だけ異なる会員登録フォームを表示することがあります。
注文・予約フォーム
休日や特定のイベント(例:バレンタインデー、クリスマスなど)に特別なメニューがあるレストランやカフェでは、その期間だけ特別な予約フォームを表示することがあります。
だそうです。色々と利用シーンがありそうですね。ただ、場合によっては新規ページを作成して敢えて切り分けたほうがいいケースもあるかもしれませんので、それはケースバイケースで対応していくというのが良さそうです。
新規ページを作成せずに複数フォームを切り替えることが可能
MW WP Formを使って新規ページを作成することなく、同一ページで複数のフォームを切り替えて表示することができました。
今回のような採用エントリーの場合は、エントリー期間外でも効率的に情報を収集し、採用活動やマーケティング活動をより柔軟に行うことが可能です。
フォームの切り替えで悩まれている場合は是非ご活用ください。
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