FTPSを利用してウェブサーバーに接続しようとすると、TLS のバージョンが「1.0」または「1.1」の場合において接続できないエラーが発生する場合があります。これは TLS のバージョンが古く、ウェブサーバー側で許可されていないバージョンのためです。TLS のバージョンを「1.2」に変更することで接続できるようになります。
目次
FTPS 通信と TLS 1.0/1.1 廃止の流れ
FTPSとは、FTPプロトコルにTLS(Transport Layer Security)またはSSL(Secure Sockets Layer)により暗号化され、セキュリティ強化されたファイル転送の通信プロトコルです。
WebサーバーへFTPS接続する際に、「TLS 1.0」または「TLS 1.1」によって暗号化されて接続できていましたが、TLS 1.0および TLS 1.1は、現在ではセキュリティの脆弱性が発見されており、セキュリティ上の欠陥があるため、攻撃者による悪意のある攻撃に対して脆弱である可能性があります。
TLS 1.0および TLS 1.1の代わりに、TLS 1.2以上を使用することを推奨されています。TLS 1.2はより強力な暗号化や認証方法へ改良されており、現在は安心して利用できます。
各社レンタルサーバーの対応
基本的には各社レンタルサーバーにおいては、TLS 1.0 および TLS 1.1 は利用不可となり、TLS 1.2 以上での接続が前提とされます。
ロリポップ!
2022年7月に TLS 1.0/1.1 が無効化されました。
参照: 【重要】FTPS接続のセキュリティ強化(TLS1.0/TLS1.1停止)に関するお知らせ – 2022年07月19日 / メンテナンス情報 / お知らせ – ロリポップ!レンタルサーバー
さくらのレンタルサーバ
2018年5月に TLS 1.0/1.1 が無効化されました。
参照: TLS 1.0/1.1無効化のメンテナンスによる影響 | さくらのサポート情報
エックスサーバー
2018年6月に TLS 1.0/1.1 が無効化されました。
参照: 旧仕様のサーバーを対象とする移行メンテナンス後のサービス仕様について │ レンタルサーバーならエックスサーバー
TLS 1.2 を有効にする方法
利用している FTP ソフトの設定によって変わってきますが、基本的には設定箇所に TLS のバージョンを選択できる項目があります。
Transmit
環境設定→詳細タブ→詳細サーバ設定 内にある「TLS v1.2 暗号化を使用する」のチェックを有効にして保存します。
参照: https://help.panic.com/ja/transmit/transmit5/advanced-settings/
Filezilla
編集→設定→接続 内にある「TLS オプション」の「許可される TLS の最小バージョン」を「TLS 1.2」に変更
参照: FileZilla GnuTLS エラー – 電脳情報局
FFFTP
Windows の設定に依存するため、古い Windows を利用している場合は対応が必要です。公式の情報を参照してください。
参照: TLS 1.2 · ffftp/ffftp Wiki · GitHub
WinSCP
ホスト設定内の設定→「高度なサイトの設定」内にある「接続」→「TLS/SSL」より、最小のTLS/SSLバージョンを1.2に変更します。手元に WinSCP が無いため確認できませんが、ログイン設定の「暗号化」を「明示的な TLS/SSL 暗号化」を選択することで解決するのかもしれません。
参照: The TLS/SSL Page (Advanced Site Settings Dialog) :: WinSCP
FTPS 接続を利用して安心な接続を
FTP通信によりウェブサーバーに接続するには、暗号化されていない FTP プロトコルがありますが、セキュリティの観点から利用は推奨されません。できるだけ FTPS プロトコルや、セキュリティ面で信頼性のより高い SFTP プロトコルを利用することが安心です。
現在は TLS 1.0 及び 1.1 が無効化されて時間も経過しているため、新しくログイン設定をする場合は問題なく TLS 1.2 以上で接続されているかと思いますが、サーバー側が最近 TLS 1.0/1.1 を廃止した場合や、以前接続していたサーバーへ久しぶりに接続した場合などで設定値がそのままだった場合などは、TLS のバージョン無効化により接続不可となることがあります。
その場合は FTP ソフト側で上記ご紹介のように TLS のバージョンを1.2以上に選択することで解決する可能性があります。ぜひお試しください。
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