エステサロンのウェブサイトを構築する上で、「サイトは出来たが全く集客できていない」「アクセスがまったく伸びない」等のお悩みは良く聞きます。どのようにすればウェブサイトという媒体を利用して集客できるか、サイトへのアクセスアップとSNSの活用方法など、エステサロンの集客について解説します。
陥りやすい集客方法
前提として、路面やマンションの1室等で営業していて1〜数店舗のサロンを小規模店舗として定義します。小規模店舗が行ってしまいがちな集客方法、アクセスアップ方法などをご紹介します。まずはやってはいけない集客方法について。
大手エステサロンと同じような広告出稿
全国に店舗があるチェーンと小規模店舗では、集客方法は全く異なります。大手は全国の強みを活かせるので、リスティング広告でビッグキーワードで大量に広告を出せます。また、価格勝負になりがちで利益が出にくく、一人のお客さんに来てもらうのに数万円かかることが予想され、これと同じことを小規模店舗がやるには大手と対抗することとなりコストが持ちません。
1クリック1,000円オーバーも
試しに、いくつかのキーワードでリスティング広告の単価を調べてみました。
キーワード | 月間平均検索ボリューム | 推奨入札単価(円) |
脱毛 福岡 | 1000 – 1万 | 1026 |
痩身 東京 | 10 – 100 | 278 |
フェイシャル 大阪 | 10 – 100 | 444 |
痩身 エステ | 1000 – 1万 | 581 |
痩身 | 1000 – 1万 | 393 |
福岡 脱毛 | 100 – 1000 | 966 |
ダイエット エステ | 1000 – 1万 | 489 |
痩身 エステ 効果 | 1000 – 1万 | 518 |
エステ 痩せる | 1000 – 1万 | 511 |
エステ ダイエット | 1000 – 1万 | 481 |
バラツキはありますが、安くても300円程度、高いと1,000円以上になる場合もあります。1クリックで1000円なので、10人にページを見てもらうだけで10,000円も(!)広告費がかかることとなります。
中身のないブログ更新
「アクセスを集めるにはページ数を増やすことが重要」とにかくやみくもにブログを更新する。間違いではありませんが、「役立つコンテンツであること」が大前提です。スタッフにとにかくブログを更新しろという指示を出し、数行程度の日常ブログや休日にどこにいってきましたなどの日記のようなブログ記事、またお店の宣伝ばかりのコンテンツになってしまうとページ数だけが増えアクセスは全く増えず、被リンクも全く増えず、無駄なページが増え続ける結果となります。
「ユーザーの役に立つコンテンツ」を書くとなると数時間〜場合によっては半日など時間がかかることもあります。誰でもできるわけではありませんので、専任の担当者を付けることが望ましいです。
どうしてもスタッフブログ的なブログを更新したいのであれば外部ブログで更新して、コーポレートサイト内では無駄なページを増やさないようにすることをお勧めします。
コーポレートサイトと別に美容やエステのメディアサイトを立ち上げる
美容やエステに関する情報を発信するサイトを別に立ち上げ、役立つコンテンツを定期的に発信し店舗サイトへ誘導するという案。ユーザーのためにはなりますが、小規模店舗の場合地域が限られるため例えば北海道で運営しているサイトにアクセスがあっても、九州からは来ることが難しいでしょう。
地域の縛りがあるビジネスという前提のため、コストと労力がかかるわりに集客に結びつかない可能性が高いといえます。また、既に多く競合がありレッドオーシャンです。
メディアサイト事例
Beauty & Co.は資生堂さんが運営するメディアサイトです。美の応援サイトという名目で一日に2,3記事のペースで更新されています。1記事あたり1000文字弱と文字数は少ないですが、画像やイラストを多用してわかりやすくまとめられています。スマホで読まれること前提で作成されているのが伝わってきます。
ニキビに関するメディアサイトニキぺディア。ニキビケアで有名なプロアクティブさんが運営元となってニキビに関するメカニズムや原因と対策、予防方法などを事細やかにまとめています。現在は月に2,3記事程度の更新頻度ですが、記事公開時点でインデックス数は365件あり、ニキビに特化したメディアとしてはこれだけのコンテンツを用意するのは中々容易ではありません。
小規模店舗の効果的な集客方法
小規模エステサロンに効果的な集客方法を解説します。
競合サロンに比べた圧倒的な実績・事例・口コミ
ユーザーとして気になるのは、価格も大事ですがそれ以上に「本当にここにお願いして大丈夫?」「ちゃんと効果出るの?」という不安かと思います。いかに安く、場所が便利でスタッフやお店の雰囲気が良くても効果がでなければ意味がありません。
訪問者が見たい情報として「施術前・施術後」「他のお客さんの口コミ」が挙げられます。
例えば、ビフォーアフターの写真、どんなメニューを実施したか、経過のデータ、お客様からのコメント、スタッフからの一言など、それだけで効果の証明となる立派なコンテンツになります。注意したいのは写真だけの中身のないコンテンツだと内容が薄いためできるだけ客観的なテキストやデータ等で充実させるようにしましょう。
このような事例をウェブサイト立ち上げの時だけでなく、定期的に更新していく仕組みを作ります。そのためには、都度制作業者に依頼するのではなく、店舗スタッフが更新できるようにWordPress等のCMSでサイトを作成し、HTML等を利用しなくても簡単にページを制作できるようにカスタマイズします。
グラフやデータで具体的に示したビフォーアフター事例
参照元:太もも痩せたい!セルライトを消して細くする方法 -b-wave
施術前と施術後を画像とグラフ、データと視覚的にも非常にわかりやすく掲載しています。高クオリティの画像の撮影や切り抜きなど技術力が必要な場合もあるかもしれませんが、このようなわかりやすいテンプレートを構築して継続的に更新できるようにすると信憑性が高まります。
店舗ロゴを写真と一緒に掲載して信憑性を高めた口コミ事例
参照元:お客様の声(口コミ) | 脱毛サロンのSTLASSH
口コミで疑ってしまうのが、「本当にこの人のコメントなのかな?」というところ。その問題をクリアするために店舗のロゴを用意しておいて写真撮影の際に一緒に撮影することにより、信憑性を高めることに成功した事例です。
また、顔出しNGの人は正直に書くことで逆に潔さを感じます。
ブランディング力を高める
小規模サロンは1名〜少人数のスタッフで営業されており、「この人にお願いしたい」というのが人気の秘訣になっていることも少なくありません。
人気スタッフや代表など、その店の顔や売りとなる要素をもっている人の露出を増やし、訪問者にやってほしいと思ってもらうように&リピーターさんが紹介しやすいように情報を継続的に発信することでブランディングを徹底的に行うことにより、他店との差別化となります。
サロン代表が書くコラムの事例
参照元:たかの友梨 コラム「髪はオンナの命。いつまでも美しく保ちたいですね。」
エステ業界では大変有名なたかの友梨さんの代表のコラムです。定期的にエステや美容に関する記事を代表自ら発信されています。
ウェブサイト以外のブランディング事例
最近では、Instagramを利用した集客は新しい流入方法として注目を集めています。差別化となるような効果的な画像の場合、Instagramにてブランディングを行う方がタグ検索からの露出が見込め効果が高いかもしれません。
居住地域を限定したFacebook広告
Facebook内に広告を出稿することが可能です。広告を行うならばリスティング広告よりもFacebook広告の方がより対象ターゲットにアプローチできる可能性があります。
ユーザー数や属性を調べてみました。Facebookは日本国内のアクティブな月間ユーザーが2,700万人、年齢層は30,40代が中心です。
参照元:【最新版】2017年5月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ
居住地域を店舗周辺の居住地域を限定にすることや、性別を女性だけに限定する、年齢を何歳から何歳までと制限して広告を出稿することでより詳細なターゲットユーザーにのみリーチする広告を出稿することが可能です。
また、広告の種類も色々とありますが最近は動画広告のエンゲージメント数が向上しています。
上位10メディアがFacebookに配信するウェブコンテンツ(サイト内記事へと誘導するタイプのコンテンツ)に対するエンゲージメント(いいね/コメント/シェア)が、この1年間で減少し続けていることが分かりました。
(中略)
その一方で「動画」投稿に注目すると、これらメディアが配信する動画の割合は増加傾向にあり、エンゲージメント獲得数も大きく伸びていることが明らかとなりました。Facebook動画へのエンゲージメント率が1年で2倍以上に!もはやリンクの投稿では“いいね”やシェアをされにくい?! | movieTIMES ムービータイムス
注意点としては、このようなFacebook広告を利用してウェブサイトへ流入させても肝心のウェブサイトが充実していないと本末転倒ですので、まずはウェブサイトの充実を図ることを第一優先としましょう。
最後に
広告は簡単に流入数を増やせるツールではありますが、流入先のウェブサイトに内容がなければお金を無駄にしているのも同然です。
まずはコーポレートサイトである、店舗のウェブサイトの内容を充実させ継続的に更新できる訪問者にとって有益なコンテンツを発信するところから始め、さらにブーストさせる目的で広告にお金を投入するのが王道かと思います。
そのためにウェブサイト構築の時点から
- どのコンテンツを更新するのか
- 簡単に更新するためにどのようなカスタマイズが必要か
- 更新する人は誰か
などを前もって決めた上でリニューアル・新規サイトを構築する制作業者を選びましょう。
また、公開してからがウェブサイトのスタートとなります。積極的にウェブ集客の相談にのってくれたり、アクセスアップの方法を提案してくれるかどうかも非常に重要なポイントです。
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